全盲でも楽々顔写真撮影⁉
~視覚障害者向けカメラアプリ「Black Lens」のご紹介~
写真撮影...それも、手で触りながら確認することのできない、人物写真の撮影は視覚障害者にとっては極めて難しいことかと思います。管理人のLUCA自身、手で位置を確かめられる書類やQRコードなら読み取ることはあっても、自撮りを含め、人を撮ろうとすることは殆どありません。
ただ実はそんな視覚障害者の不便を取り除くべく、同様に視覚障害を抱える開発者により、全盲・強度弱視のユーザでも人の写真が撮影できるようになる画期的なアプリが公開されているんです。
今回の記事ではそんな視覚障害者向けカメラアプリ、「Black Lens」についてご紹介したいと思います。
📷 アプリ情報
それでは初めに、今回ご紹介するアプリの基本情報からどうぞ。
- ○アプリ名:
- 「Black Lens」
- ○ダウンロードリンク:
- AppStoreから入手
- ○価格:
- ¥500(アプリ内課金なし)
- ○開発者:
- Steven Johnson
- ○公式サイト:
- 「Black Lens」トップページ
- ○ソフトウェア要件:
- iOS 18.2以降
- ○対応言語:
- 英語のみ
- ○概要:
- ・視覚障害者でも人の顔を正確に捉え撮影できるよう音声・振動で指示を出してくれる📷アプリ
- ・弱視ユーザ向けに直感的なジェスチャ操作、VoiceOverユーザ向けにマジックタップに完全対応
- ・その他認識された人数の通知・自動撮影等視覚障害者向けの機能を数多く搭載
アプリ情報については以上です。次項からはアプリ本体の使い方についてご紹介していきます。
📷 操作方法
1️⃣ 初回起動・メイン画面
前項でもご紹介している通りBlack Lensは英語のみに対応したアプリで、アプリを起動するとすぐに「No faces detected」(顔が認識されません)という読み上げが繰り返し再生されるかと思います。
声が重なってやや操作しづらいかと思いますが、初回起動時には位置情報サービス・カメラ使用の権限をそれぞれ許可しましょう。
2️⃣ 画面構成・ボタン類
権限設定を終えると、アプリメイン画面に遷移します。多数のボタン・テキストが配置されていて少し慣れが必要なUIではありますが、基本的に操作を受け付けるボタンは下記の通りです。
| ボタンのラベル | 用途 | 代替ジェスチャ |
|---|---|---|
| Help Guide | 操作方法・自動撮影設定を表示 | 無 |
| VoiceOver gestures guide | VoiceOverユーザ向けの使用方法を表示 | 無 |
| Switch to front/rear camera | フロント/メインカメラに切り替え | 上下スワイプ |
| Turn mask mode on/off | マスクモードの切り替え | 左右スワイプ |
| その他全て | 写真撮影 | 音量ボタンの押下 |
※上記「代替ジェスチャ」のうちスワイプを要するものはVoiceOver未利用時にのみ利用可能です。
3️⃣ 画面表示
カメラのプレビューは「マスクモード」がオフの場合にのみ表示される仕様で、オンの場合にはプレビューの代わりに顔認識の枠のみが表示されるようになっています。使いやすい表示方法を適用しましょう。
またマスクモードがオンの場合等、選択中のカメラが判断しやすいよう、フロントカメラ使用時には緑色、メインカメラ使用時にはオレンジ色の枠線が表示されます。
4️⃣ 主な使用方法
「カメラを切り替える」⇒「被写体へカメラを向ける」⇒「音声フィードバックや振動を頼りに向きを修正する」というのが基本的な使用手順で、振動はレンズの向きがずれているほど強まるようになっています。
音声フィードバックが「(人数) faces detected」という内容に変わったら正しく人の顔が認識されているということなので、そのままシャッターを切るか、自動撮影に移行するのを待ちましょう。自動撮影はカメラの向きが合った後、手を動かさずに3秒間待機することで実行されます。
なお自動撮影機能を利用したくない場合には、「Help guide」を選択したときに表示されるダイアログ内で「AUTO-CAPTURE」のチェックを外すか、タイマーが始まったタイミングで画面を長押しして一時停止させます。
📷 便利ポイント
最後に、実際にBlack Lensを使ってみたLUCAが感じた、アプリの便利ポイントをまとめてご紹介したいと思います。
1️⃣ 音声と振動で詳しく指示
前項でもご紹介した通り、Black Lensではカメラの向きが違っている場合に、音声と振動パターンで詳しく指示してくれます。
「Point camera left/right」(カメラを左/右に向けて」という音声フィードバックで方向、振動フィードバックの強さで距離を調整できるため、全盲ユーザでも容易に撮影対象の顔をとらえることができ、利便性は非常に高いと感じています。
2️⃣ 直感的でわかりやすい操作性
各種ボタン・ラベルがしっかりとより読み上げられる他、VoiceOver未設定の状態では単純なスワイプ操作でカメラ・モードの切り替えができるため操作性は非常に高いのではないかと思います。
シャッターを切る際も「画面上の任意の場所を選択する」・「音量ボタンを押下する」・「VoiceOverのマジックタップを実施する」など複数の手段が用意されていて、操作しやすい方法で撮影できるようになっているのもありがたいポイントです。
フラッシュライト・シャッター音などを手動で切り替えられない点はやや不便ですが、機能を絞ってユーザビリティを上げるという意味では理にかなった設計といえるのではないでしょうか。
3️⃣ 正しい位置で自動撮影
自動撮影機能は好みがわかれるところかもしれませんが、LUCA自身はとても便利な機能だと感じています。
全盲だと手が動いてしまわないようカメラを向けておくのも難しいですし、撮影用のボタンや音量ボタンを押す際に手振れが起きてしまう可能性もあります。ただこの自動撮影機能を使えば、端末を動かさずに3秒間待機しているだけで、一切操作を必要とせず撮影を行えるようになっているんです。
また3秒間のタイマーもしっかりと読み上げられるようになっており、高水準のアクセシビリティが保たれています。
📷 まとめ
さて、今回は少し短めになってしまいましたが、視覚障害者向けに開発された画期的なカメラアプリ、「Black Lens」についてご紹介しました。
有料アプリということもあり少し導入のハードルは高めかもしれませんが、音声や振動により的確に方向を指示してくれる優れものなので、ぜひ顔写真の撮影時などに活用してみてください。