iPhone・Apple Watchのトラブル時に❗️
〜VoiceOverの小技集〜


アクセシビリティの低いアプリや動作の重いアプリを使っている際、VoiceOverの挙動がおかしくなってしまったり、フリーズしてしまうことってありますよね。

今回の記事ではそんなトラブルの発生時に役立つかもしれない、iPhone・Apple Watchの便利な小技をまとめてご紹介したいと思います。

☡ 今回は「VoiceOverのトラブル」をテーマに執筆しているため、アクセシビリティの低いアプリについても取り上げています。ご了承ください。


整備士の服を着込んで、ドライバーと工具箱を持った柴犬のイラスト

それでは早速、VoiceOverの小技集をご紹介して行きます。

1. まだ先があるはずなのに下にスクロールできない時の小技

1つ目の小技はAppStoreやX(旧Twitter)などで「まだ先があるはずなのに、下にスクロールできない」という時の対処法です。

まずこの不具合について説明すると、SNSやショッピング・ストアでタイムライン・検索結果の内容がとても長くなってしまう場合、アプリケーション側でメモリを消費しすぎてしまわないよう、一部ずつ表示するという仕組みになっています。そのため、数百件の検索結果があるはずなのに、2、30件程度のところでリストが終わってしまい、スクロールバーも「100%」を示す状態になってしまうという訳です。

このような場合、なぜかVoiceOverの3本指スワイプジェスチャは上手く動作しないことが多いので、一度表示されているタイムラインや検索結果の内容、または画面右端に表示されているスクロールバーを選択した後、1本指でダブルタップ・ホールド(ダブルタップする要領で、2度目のタップ時に指を離さないようにする)したまま上方に指を滑らせていくと新たな内容が読み込まれるようになるかと思います。

※なお、スライドバーが「100%」を示している場合、それが本当に一覧の終了位置七日、非表示の続きがあるのかは、VoiceOverでは確認できません。そのため、「まだ続きがあるかもしれない」という場合には、上記の方法で何度かスクロールを試してみるのが良いかと思います。


2. タッチできないフルスクリーンポップアップが表示された時の小技

続いては最近のアップデートで「三井住友銀行」アプリが取り入れたような、VoiceOverでは存在さえ確認できないタイプのフルスクリーン広告が表示されてしまい、アプリが操作できなくなってしまった時の対処法です。

まずフルスクリーン広告が表示される場合の共通の回避方法は、「ポップアップの裏側を移動・読み上げさせる」ことです。特に広告の内容がVoiceOverで確認できる場合には「初めから読み上げ」(通常は2本指上スワイプ)アクションを呼び出すだけで、本来目には見えない、広告の裏側にあるアプリの画面を読み上げさせることができます。

最近増えているVoiceOverで確認できないタイプの広告の場合にはそもそも画面上の要素を選択すること自体ができないため、一工夫必要になります。まずはローターで「画面認識」(初回使用時にはVoiceOver設定の「VoiceOver認識」から有効化が必要)を選び、1本指上下スワイプでオンにしてください。その後に画面をタップすると、用途不明のボタンや画像がいくつか選択できるようになっているかと思いますので、あらためて「初めから読み上げ」を実行してください。

上手くいっていれば、画面認識がオンの状態でも、正しくアプリの画面が読み上げられていきます。なお、この方法で読み上げが始まった後は必ず左右スワイプで飲みカーソルを動かすようにし、1本指タップはしないようにしてください。誤って画面をタップしてしまった場合には読み上げを再会できなくなってしまいますが、その際には再度上記の手順を繰り返せば画面の初めから確認し直すことは可能です。


3. 文字入力中などにVoiceOverの音が一切聞こえなくなってしまった場合の小技

3つ目は「小技」というよりは「正しい対応」という印象かもしれませんが、文字入力中にVoiceOverがフリーズしてしまった再の解決策です。

この不具合は主にiOS 16~17で診られる症状で、「キーボードから文字を入力していると、突然音声が止まってしまう」というものです。一般的にVoiceOverの効果音(サウンド)だけが聞こえ、読み上げ音声の一切が出力されなくなることが多いかとおもいます。

さてそんな音声読み上げのフリーズですが、一番の対処法は画面に触れないでいることです。このフリーズは一時的なものである場合が多く、10秒程度で復活するようなのです。10秒以上経過してもVoiceOverの音声が聞こえてこない時に限り、サイドボタン(ホームボタン付端末ではホームボタン)の3回押しを何度か繰り返してみましょう。

通常VoiceOverの再起動はサイドボタン・ホームボタン3回押しを2度繰り返す(計6回押す)ことで実行できるのですが、フリーズしてしまっている場合には状況によって3度、4度と続ける必要がある場合もあります。VoiceOverの読み上げが再開されるまで、急がず根気よく再起動を実施してみてください。


4. スワイプ操作を誤ってSafariのタブを閉じてしまった時の小技

次にご紹介するのは、Safariのタブグループで誤って必要なタブを閉じてしまった時に役立つ小技です。こちらはVoiceOver特有の技ではありませんが、主にVoiceOver環境で発生しやすいようなので一緒に取り上げてみました。

Safariで閉じてしまったタブを復元する方法としては、端末の設定状態によって2種類あります。

まず、設定の「アクセシビリティ」↠「タッチ」↠「シェイクで取り消し」のオプションがオンになっていれば、端末を軽く振るだけでタブの削除を取り消すことができます。実はこれが一番便利な方法で、誤って閉じてしまったタブを元あった場所に戻すことができるんです。

上記の設定がオフになっている場合やタブを閉じてから時間が経ってしまっている場合には少し工夫が必要になります。Safariのタブリストを表示した状態で画面下部の「新規タブ」ボタンを長押しすると過去に閉じたタブが一覧で表示されますので、そこから目的のものを選択しましょう。

なお、後者の方法で復元したタブは、残念ながらタブリストの一番最後に開かれてしまい、本来のタブの順番からは外れてしまいます。そのため、特別不便に感じていない場合には、「シェイクで取り消し」は有効化しておくことをお勧めします。


5. アラーム・着信音に邪魔されて「停止」ボタンや電話番号等の表示が探せない時の小技

5つ目の小技は、VoiceOverあるあるの「アラーム・着信音で読み上げが聞こえない」問題に対する対処法です。特にiPhoneのロック解除時にはアラームの停止ボタンが小さく表示されてしまうので、下記の手順で止めるようにすると楽かもしれません。

まず事前準備として、設定アプリから「サウンドと触覚」→「ボタンで変更」をオフに変更しましょう。

その後はアラーム・着信音が鳴り始めたタイミングで、音量下ボタンを1度押せば一時的に音をミュートさせることができるようになり、落ち着いてVoiceOverを使って停止ボタンや応答・拒否ボタンの位置や相手の電話番号・登録名などの情報を確認する時間ができます。

操作としては非常に単純なので、ぜひ試してみてください。


6. 特別編: Apple WatchのウォレットでSUICAのチャージができない時の小技

最後にご紹介するのは特別編、「Apple WatchのウォレットでSUICAのチャージ中にVoiceOverがフリーズしてしまう」時の対処法です。

この不具合は最新のWatchOSシリーズ、WatchOS 10.Xで発生するようになってしまったバグの1つで、「ウォレット」アプリから交通系ICカードを選択、IDやQUICPayで直接チャージしようとする再にVoiceOverの音声が停止してしまうというものです。

対処法...と言ってしまってよいのかわかりませんが、実はこの問題に対する解決策は「触れないでおく」ことしかありません。仮にVoiceOverの再起動を繰り返したところで一定の時間が経過するまでは治らないので、ひたすら待つしかないのです。

ただ1つ特徴として、「チャージ額を増やせば増やすほどフリーズ時間が倍増する」という点が判明しているので、チャージ金額の欄は一気に上げず、デジタルクラウンの振動を感じながら数百円ずつ増やしていく方が時間はかからないようです。


まとめ

さて、今回はVoiceOverユーザ向けの小技をiPhone向けに5つ、Apple Watch向けに1つご紹介しました。

「小技」というよりは「バグの対処法」ばかりになってしまいましたが、いざというときには役に立つ情報もあるかと思いますので、ぜひ覚えて実践していただけると幸いです。


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