Kindle vs. Audible ~Amazonの電子書籍サービスを徹底比較❣️~
📖 いつも通り、紹介しているサイト・サービス・アプリ等は、全てスクリーンリーダーに対応していることを確認してから掲載しています。今回の記事では特に読書サービスのアクセシビリティに着目していますので、全盲の方もぜひご覧ください。

Kindleのご紹介
本題に入る前に、あまり電子書籍サービスを利用されたことのない方のためにKindleについてご紹介します。既にKindleを使っている方、ご興味のない方は次項へ移動してください。
KindleのURL: サイト / iOSアプリ / Androidアプリ
今では世界中で広く利用されている「Kindle」は、Amazonが2007年にリリースしたKindle端末専用の小規模な読書サービスでした。そんなKindleはこの14年間で自費出版サービス・合成音声による読み上げ機能・まるで紙の本を読んでいるかのような様々なエフェクト・書籍の読み放題サービスなどを組み込み、世界中で最も使われている電子書籍サービスの1つとなりました。スマホやタブレットでは画面読み上げ機能、その他のデバイスでも合成音声で図書を読み上げてくれることから視覚障害者にも広く使われるようになり、アクセシビリティも最高レベルと言えると思います。
スマホでKindleを利用するには、まず上記リンクからKindleアプリをインストール後、Amazon.co.jpのアカウントでログインする必要があります。図書を通常購入するにはブラウザからKindleにアクセスし、任意の図書を検索・購入・ダウンロードしてください。ダウンロードした後、アプリに戻るとライブラリに買ったばかりのタイトルが追加されていると思いますので、タップしてインストールを行ってください。購入したタイトルがライブラリに出現しない場合、「その他」ボタンからライブラリの同期を行ってください。
※視覚障害者の方が図書を購入する際は、同タイトルの漫画・コミックを誤ってインストールしないようにご注意ください。Kindleストア(ブラウザ版)のアクセシビリティはあまり高くないので、小説・漫画の区別がつきにくいことがあります。
Kindleには「Kindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)」と呼ばれる読み放題サービスがあり、此方のリンク、Kindleアプリ内の「カタログ」タブやバナー広告から登録することができます。ソフトカバーの小説に換算すると約1冊半分である、980円で利用できるので、月に2冊以上読む方であれば元を取れる計算になります。登録すると30日間の無料体験が受けられるので、迷っている方は使い勝手を確認してから課金することができます。
Kindle Unlimitedの登録図書数は約200万冊で、毎月新しいタイトルが追加・変更されています。一度に利用(貸出)できる図書数は10冊と制限されてはいますが、読み終わった本はその度に削除し、無制限に新しいタイトルと入れ替えることができます。最新作や何巻にも続く長編などは対象外のことが多いですが、900円代でほぼ無制限に読書を楽しめるというのは、本好きの方には非常に便利なサービスではないでしょうか。
Kindleを使うメリット・デメリット
Kindleについて簡単にご紹介したところで、その特徴やメリット・デメリットについて考えていきます。
- メリット
- 目で読む晴眼者も、スクリーンリーダーを使って読む視覚障害者も自分のペースで読める。
- 非常に安価な読み放題サービスが提供されている。
- 通常購入でも定価より安く買えることが多い。
- 晴眼者・弱視者は漫画や雑誌も読むことができる。
- 紙の図書と同様のレイアウトで読むことができ、実際にページをめくって読書しているようなエフェクトが用意されている。
- デメリット
- 目で読む晴眼者は目が疲れやすく、スクリーンリーダーや合成音声ではOSごとに読み間違いや聞き取りにくい箇所がある。
- 読み放題サービスでは対象外のタイトルが多く、シリーズになっている小説は別途購入する必要がある。
- 公式サイト・アプリ共にアクセシビリティの不十分な箇所がある。
総合的評価:
操作性: ★★★★☆(4/5)
アクセシビリティ: ★★★☆☆(3/5)
コストパフォーマンス: ★★★★☆(4/5)
定額サービス: ★★★★☆(4/5)
こうしてまとめてみると、Kindleの強みは使いやすさとコストパフォーマンスの2点になります。アクセシビリティをやや低く設定したのはデメリット欄にも記載した通り、公式サイトのアクセシビリティが低い・目が疲れやすい・スクリーンリーダーによって読み間違いが多いという点からです。ただし、これらのデメリットを補っているのが定額の読み放題サービスの使いやすさ・コストパフォーマンスで、月に何冊も本を読んでいる方にとっては必須のサービスとも言えるのではないでしょうか。
それでは次項からは比較対象となる、「Audible」についてご紹介していきます。
Amazon.comのロゴ
Audibleのご紹介
本項でも、利用されたことのない方・初めて聞く方のために簡単にAudibleについてご説明します。既にAudibleを利用中の方、ご興味のない方は次項へお進みください。
AudibleのURL: サイト / iOSアプリ / Androidアプリ
「Audible」は日本語に直訳すると「聞ける、聞き取れる」などという意味の形容詞で、外出時でも本を楽しめるよう、1995年に設立されたサービスです。今ではAmazonの傘下になっていますが、設立当時はAudible.incという独立した企業で、1997年頃から専用のポータブルデジタルオーディオプレイヤーや英語のオーディオブックの販売、サブスクリプションサービスの提供などを行っていました。幼・小・中学校をインターナショナルスクールで過ごしたLUCAにとって、「Audible」というとこの時期の製品の方が馴染み深かったりします。
2001年にはポッドキャストよりも早く音声コンテンツの配信を始め、2003年にはiTunesで取り扱いを開始するなど、世界中で広まり始めていたAudibleは2008年に、Amazonに買収されました。その後更に発展したAmazon Audibleは今ではスマホでも聞ける、手軽なオーディオブックサービスとして普及してきたんです。
Audibleの使い方はKindleと同様で、上記公式サイトにアクセス、メニューからAmazonアカウントにログインしてオーディオブックを購入する流れです。購入したタイトルはAudibleアプリのライブラリタブからインストール・購入することができます。
通常Audibleで販売されている小説等の料金は3,000円前後と非常に高価ですが、定期的にオーディオブックを購入・視聴したい方向けに有料のサービスも用意されています。サイトを開くと中央に登録リンクが表示されますので、利用されたい方は指示に従って情報を入力してください。
Audible有料アカウントは月額1,500円(記事執筆時)で、Kindleと同じく無料体験期間が設けられています。Kindle Unlimitedのように様々なタイトルが読み放題になるわけではありませんが、どんなオーディオブックでも1冊無料になるコインが毎月貰える他、会員専用のボーナスタイトルや無料ポッドキャスト、コイン追加購入などがお得に利用できます。非会員と比べると2-4分の1程度で好きなオーディオブックを聞くことができるのでお勧めです。
Audibleを使うメリット・デメリット
それでは前項でご紹介した、Audibleについて、メリットとデメリットをまとめます。
- メリット
- 晴眼者、視覚障害者共に目を酷使せず、用事をしながらでも読書を楽しめる。
- 公式アプリでは再生速度等の調整、時間・章単位の移動による部分的な読み上げ、スリープタイマーなど、快適に視聴できるような工夫が詰め込まれている。
- プロの声優・ナレーターが朗読しているため、感情がこめられていて、読み間違いもない。
- ボーナスタイトル・ポッドキャストなどでは、普段読まないようなジャンル・作風の小説と出会える。
- 公式サイト・アプリ共にアクセシビリティが非常に高い。
- デメリット
- 何よりも効果。
- 漫画・雑誌が少ない。
- 1文字ずつ朗読されるため、斜め読みがしにくい。
総合的評価:
操作性: ★★★★★(5/5)
アクセシビリティ: ★★★★★(5/5)
コストパフォーマンス: ★★☆☆☆(2/5)
定額サービス: ★★★★☆(4/5)
Audibleの強みはアクセシビリティと操作性の高さの2点です。晴眼者・視覚障害者共に使いやすく、アクセスしやすいオーディオブックは通常の電子書籍のデメリットをカバーできていると思います。一方、非会員にとっては1冊1冊が非常に高価で、手が出しにくいところが欠点です。
Kindle・Audible、両者の特徴を確認したところで、本題の比較に入りたいと思います。
※LUCAはどちらの有料サービスにも登録していますので、一方を贔屓することはありません。また、次項の結果は執筆時点ではわからず、上記の総合評価も比べずに記載しています。
KindleとAudibleの比較
いよいよ本題、Amazonの電子書籍サービスである、KindleとAudibleの特徴を比較し、それぞれの総合評価で付けた★の数を計算していきます。
本記事ではKindleとAudible、それぞれのメリットとデメリットを列記してきました。その内容をみてみると、互いのメリット・デメリットが正反対になっていることがわかります。本来は目で文字を追うKindleと、朗読を耳で聞くAudibleとでは読み方も操作感も逆になるので、当然の結果かもしれません。ですが、スクリーンリーダーや合成音声を利用している視覚障害者にとって、この違いはあまり関係がないようにも感じます。
そこで重要な比較対象になるのが、アクセシビリティとコストパフォーマンスではないでしょうか。同じく聴覚的に読めるのであれば、視覚障害者ユーザーにとってはどれだけ聞きやすいか、どれだけ安く読書を楽しめるのかの2点が最も気になるところだと思います。
アクセシビリティとコストパフォーマンスのみに着目するとKindleの★は3つと4つ、Audibleでは5つと2つです。Kindleは安い代わりに読み辛く、Audibleは高い代わりに読みやすいということになります。Kindleが特別読みにくいとは思いませんが、サイトの使いやすさ、音声の質を含め、Audibleの方がアクセシブルであることは確実です。一方、Audibleで販売されているオーディオブックの値段はKindle本の約4-5倍と、月に何冊も読む方にとっては高価過ぎます。最終的には読書環境とコスト、どちらを選ぶか、好みの問題になりそうです。
※因みにLUCAの利用頻度としては、Kindle:Audibleが約8:2程度です。価格設定の違いがそのまま利用頻度に現れている気がします。
最後に、本記事中で両サービスにつけた総合評価の★の数の合計を計算し、Kindle vs. Audibleの決着をつけたいと思います(あくまでLUCAの個人的な感想です)。
項目 | Kindle | Audible |
---|---|---|
操作性 | 4 | 5 |
アクセシビリティ | 3 | 5 |
コストパフォーマンス | 4 | 2 |
定額サービス | 4 | 4 |
合計 | 15 | 16 |
......ということで、Kindle15点対Audible16点と、僅差でAudibleの勝利‼︎
まとめ:どっちにする?
ここまで、Amazonの電子書籍サービス、KindleとAudibleを比較してきました。最終的にはAudibleの勝利となりましたが、何度か記載している通り、本記事中の評価・感想はあくまでLUCAの個人的なものです。また、LUCA自身が全盲であること、日常的に療サービスをvoiceover環境で利用していることなど、評価を偏らせてしまったところもあると思います。そのため、登録を検討されている方は前項の結果発表よりも、記事中でご説明した両社のメリット・デメリットをご参考にして頂けると幸いです。